次世代REITオープン【好成績投信の中身を拝見】

コロナショック後から、世界的に株価が急上昇していましたが、REITはその波から少し出遅れていました。ホテル・オフィス・商業施設が特に壊滅的だったのが要因です。直近はREITの株価も上昇してきていますが、最近は従来型のREITに加えて、データセンターや物流施設などの次世代RETIにも注目が集まっています。

今回は次世代REITオープンについてご紹介いたします。

次世代REITオープンとは

次世代REITオープンは三菱UFJ国際投信が運用を行うアクティブファンドです。後述しますが、従来の住宅・ホテル・オフィスとは違い次世代型のREITへの投資を行います。

投資コンセプトは下記の通りです。

  • 日本を含む世界各国の次世代のREITに投資
  • 運用にあたっては、コーヘン&スティアーズ・キャピタル・マネジメント・インクに運用指図に関する権限を委託

これまでREITといえば、住宅型・ホテル型・オフィス型が伝統的REITとして位置づけられてきました。

近年では、都市化の進行・人口構造の変化・テクノロジーの進化から、下記の次世代のREIT割合が増してきています。

次世代REIT
  • テクノロジー関連REIT(データセンター・通信塔)
  • ロジスティクス関連REIT(物流施設・倉庫)
  • ニュースタイルREIT(介護施設・学生寮・簡易住宅・戸建住宅)

テクノロジー関連REITでは、BCP対策・デジタルデータ量の増加によって更に高まる通信塔やデータセンターのニーズが高まっています。コロナ禍でのクラウド需要・仮想通貨の普及なども、大量のデータを処理するためにはいずれもモンスター級のブレードサーバーを大量に必要することもあり、ますますデータセンター需要は高まりそうです。

ロジスティクス関連REITに関しては、伝統的REITに含めても良いのではないかと思えるくらいに普及しております。本ブログにて何度もご紹介しているとおり、EC関連ビジネスが拡大を続けており、物流施設や倉庫の需要が拡大し続けています。特に、高速道路のIC近くでは大規模な物流拠点がいくつも誕生しており、その数は増える一方です。

ニュースタイル 関連REITに関しては、米国のベビーブーマー世代の高齢化による介護住宅などの需要拡大やミレニアル世代の世帯形成による手頃な価格の住宅への需要拡大による、あらたな住宅関連の需要の拡大が期待されています。

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基本情報

設定日2020年2月14日
償還日2030年2月13日
購入時手数料最大3.3%(税込) 
※証券会社によって異なる。ネット証券は無料
信託財産留保額なし
管理費用
(含む信託報酬)
年率1.694%(税込)
分配金資産成長型:年二回(2月、8月)
毎月決算型:毎月(基準価額による)

基本情報は上記の通りとなります。アクティブファンドのため、管理費費用は1.694%と結構高めで、信託財産留保額はなし。

次世代REITオープンは、分配金を年2回に抑えた資産成長型(為替ヘッジあり/なし)、基準価額が一定を超えている場合に分配金が毎月もらえる(予想分配金提示型)毎月決算型(為替ヘッジあり/なし)の4パターンがあります。以下、資産成長型(為替ヘッジなし)にて話を進めます。

構成銘柄

月次レポート・目論見書を拝見

公式サイト・証券会社の銘柄紹介で閲覧することの出来る、月次レポート・目論見書・運用報告書を元に、どのような運用方針でどんな銘柄に投資しているかを確認します。

月次レポートは、前月末の情報であり、リアルタイムな情報ではありませんが、長期投資と言う目線で考えればクリティカルな問題にはならないと考えます。

分野・セクター別は下記のとおり

分野・セクター別組み入れ比率
テクノロジー関連37.2%
└通信塔21.8%
└データセンター15.4%
ロジスティクス関連41.7%
└物流施設28.8%
└倉庫12.8%
ニュースタイル関連17.1%
└シニア住宅8.3%
└ライフサイエンス4.1%
└簡易住宅4.0%
└戸建住宅0.8%

3分野の中ではロジスティクス関連が41.7%で特に物流施設の28.8%が大きく引っ張っています。

国別は下記のとおり

国・地域組み入れ比率
米国77.6%
イギリス4.3%
オーストラリア2.8%
ドイツ2.5%
ベルギー2.1%
フランス1.9%
日本1.9%
香港1.6%
シンガポール0.9%
オランダ0.5%

米国の比率が圧倒的多数を占めます。

構成銘柄上位10位については下記の通りです。(2021年7末時点)

銘柄名業種比率
SBA COMMUNICATIONS CORP通信塔9.2%
AMERICAN TOWER CORP通信塔9.1%
DUKE REALTY CORP物流施設8.5%
EQUINIX INCデータセンター6.9%
CYRUSONE INCデータセンター5.4%
PUBLIC STORAGE倉庫5.3%
WELLTOWER INCシニア住宅4.6%
HEALTHPEAK PROPERTIES INCライフサイエンス4.1%
CUBESMART倉庫3.9%
PROLOGIS INC物流施設3.9%

組み入れ銘柄数は33。上位2銘柄は通信塔。他、テクノロジー関連・ロジスティクス関連・ニュースタイル関連とバランスよくトップ10にランクイン。

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パフォーマンス

基準価額推移

設定来、基準価額は2021年9月10日時点で、12,821円(分配金再投資 12,843円)

タイミング悪くコロナショック直前に設定されたこともあり、いきなり基準価額マイナスからのスタートとなりました。特にREITは回復が遅れていましたが、この6ヶ月は順調に基準価額を伸ばしています。

過去のパフォーマンス

2021年8月末時点の情報です。

期間騰落率(分配金込み)
6ヶ月前から+28.39%
1年前から+29.67%
設定来+28.43%

設定来からみると、+28.43%です。

新型コロナウイルスの感染再拡大により、オフィス・ホテル関係のREITは厳しい状況が続きますが、次世代REITはデータセンターや物流施設など逆にアフターコロナを見据えるセクター。今後の成長が期待できます。

まとめ

REITに関しては、個人的にECが伸びるとの予測から物流施設に注目していましたが、クラウド化・5G普及によるデータセンター関連REITも成長の可能性があります。データセンター運営の個別銘柄を追いかけてみても面白いかもしれません。

※あくまでも投資は自己責任でお願いいたします。

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