【株ブログ】4028 石原産業 【酸化チタン】【5G関連】

四季報の通読が終わったので、ピックアップした個別銘柄をご紹介していきたいと思います。

四季報2021年秋号は、化学関連の銘柄が強かったように感じます。

化学関連銘柄の中から、今回ご紹介する石原産業は酸化チタンを作っている会社です。酸化チタンと言うとイマイチぴんと来ない方も多いと思われますが、白色顔料とはじめとして、住宅用塗料や自動車・PC・スマホといった電子分など幅広い分野で応用されており、私たちの生活に無くてはならない存在です。

今回は、 4028 石原産業をご紹介いたします。

4028 石原産業とは

会社概要

wikipediaからの引用です。

石原産業株式会社(いしはらさんぎょう 英: ISHIHARA SANGYO KAISHA,LTD.)は、大阪府大阪市西区に本社を置く大手化学メーカーである。主力工場は四日市市石原地区に、滋賀県草津市に中央研究所を持つ。

(中略)

創業者の石原広一郎により、1920年に南洋での鉱山開発を目的とした、合資会社南洋鉱業公司を大阪に設立したのが始まり。その関連産業(海運、化学)に従事していたが、終戦により海外拠点を喪失。以降は日本に残った工場を元に化学企業として事業を続けている。

主力製品は二酸化チタンで、そのシェアは日本国内では1位、世界でも6位を占めている(2003年度)。収益の中心は農薬事業であり、自社開発した農薬を世界中で販売している。近年は医薬品にも事業展開している。

大輪会の会員企業である

wikipedia

沿革

1920年 現マレーシアジョホール州スリメダン鉱山の開発のため、大阪市に合資会社南洋鉱業を設立。のちに海運業にも進出
1929年 社名を石原産業海運合資会社に改称
1934年 三重県に銅、黄銅鉱を採掘する紀州鉱山を開設
1936年 関連会社として日本海運株式会社を設立
1942年 大阪アルカリ肥料(株)を合併
1943年 海運業を分離し、日本海運と合併させて石原汽船株式会社として独立。石原産業に社名変更
1949年 東京証券取引所、大阪証券取引所上場
1954年 酸化チタン工場完成
1978年 紀州鉱山を閉山
1999年 四日市で医薬品原体の生産開始
2001年 遺伝子治療ビジネスに進出
2008年 本社機能の一部を四日市工場に移転

事業概要

2020年に創立100年を迎えた超老舗企業。設立時はマレー半島での鉱山開発がメインでしたが、戦後は酸化チタンを中心とした「無機化学事業」、農薬を中心とした「有機化学事業」を主力事業とした化学メーカーとして成長を遂げています。

石原産業が製造する酸化チタンは国内でシェアNo.1。酸化チタンは白色顔料として主に利用されますが、自動車向けや建築塗料をはじめとする幅広い分野から、PC・スマートフォンなどの電子部品材料にも使用されており、直近は需要が高まりそうな銘柄でもあります。

無機化学事業(売上比率:50%)

酸化チタンは、白色を彩る顔料として工業製品(塗料、プラスチック、インキ、紙、ゴムなど)や化粧品、化学繊維、医薬品など、私たちの暮らしの幅広い分野で欠かすことのできない存在となっています。

酸化チタンは白色顔料だけではなく、電子部品にも応用されています。テレビ、パソコン、スマートフォンといった電子機器に使用される電子セラミックスの主要原料として使用される高純度酸化チタンを開発しています。

その他、有機物分解やセルフクリーニングで、環境浄化が期待される光触媒酸化チタンなど環境に配慮した製品にも使用されています。

有機化学事業 (売上比率:50%)

石原産業は、日本で最初に化学農薬の技術を導入し農薬の開発に着手して以降、これまで数多くの除草剤、殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、植物成長調整剤を開発してきました。石原産業の農薬は、国内はもちろん、海外への輸出も多く、その輸出額は国内トップクラス。

有機化学事業

農薬事業で培った有機合成技術を医薬品の開発、製造に展開しています。

会社の売上比率で言うと数パーセント程度。

過去の不祥事

小学校の社会科で習った、「四日市ぜんそく」の被告企業の一社。

公害問題は過去のものと思われる21世紀に入ってからも、2006年11月の土壌埋め戻し材「フェロシルト」不法投棄事件、2007年11月の有機物残渣(ざんさ)投棄事件、2008年5月毒性の高い物質「ホスゲン」の無届での大量製造などの不祥事がありました。

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業績

株価チャート

株価と業績を見ていきましょう。

2020年3月期は新型コロナに関係なく、電子部品の需要減・異常気象による農薬販売伸び悩みで減収だったところに、追い討ちをかけるようにコロナショックで大暴落。2021年3月期は前半コロナ影響を受けたものの、後半盛り返し微増益。2022年3月期は増益の見込みですが、第一四半期時点で既に利益進捗率50%を超えており上昇修正濃厚。

株価が業績に比例しており、見通しの立てやすいチャートとなっております。

予想PER8.85倍/PBR0.66倍でPER高値平均14.1%,安値平均でも6.2%と数値上は割安

2021年9月24日時点

PER8.85倍
PBR0.55倍
EPS 90.1円
(予想)

過去5年業績

売上高営業利益税前利益利益1株益(円)1株配(円)
連18.3108,00110,0228,4143,442139.730
連19.3106,44111,37211,1448,683217.312
連20.3101,0666,1885,3452,3595920
連21.3101,7745,1735,9443,37384.418
連22.3予103,0006,3004,7003,60090.118

過去5年の業績と予想です。前述のとおり、2020年3月期は減収減益。2021年3月期は原材料費高・コロナ影響による固定費増大により増収減益。

2021年3月期は有機化学事業は例年並みですが、酸化チタンの無化化学事業にて、電子材料が自動車関連・5G関連で伸長し、1Q決算発表時点で上期上方修正済み、既に通期の経常利益進捗率50%を超えています。自動車の減産が懸念されますが、通期上方修正は濃厚でしょう。

四季報予想は、会社予想を大きく上回り、シングルニコチャンマーク。EPSは会社予想 90.1 円に対し、150円超えの大幅増額予想。

配当

配当はここ数年は据え置き。

1株配(円)記念配当
連18.3300
連19.3120
連20.3128
連21.3180
連22.3予180

2020年に創立100周年の記念配当がありました。会社発表では、22年3月期の配当は18円据え置きの予定ですが、四季報予想では18~30円の予想。業績次第で増配あるかも。

株主優待

株主優待はありません。

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まとめ

  • PER低め割安銘柄
  • 5Gをはじめとした電子材料が好調
  • 酸化チタンは国内シェアNo1

酸化チタンと言うとあまりなじみが無いため地味な印象を受けますが、よくよく調べると様々な分野で利用されており、PCやスマホ向けの需要が高いという面白い銘柄。

懸念点は自動車の減産影響がどこまで響くかでしょうか。

1Q上期時点で、上方修正済みで通期据え置きのため通期上方修正も見込めます。四季報秋号は4-6月期の情報から通期の上方修正見込みが予想できるため、非常に面白い号となっています。

あくまでも投資は自己判断でお願いします。

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